2025年の補助金制度「子育てグリーン住宅支援事業」:概要と注目ポイント

2024.12.05

2025年の補助金制度「子育てグリーン住宅支援事業」:概要と注目ポイント

2025年の新築住宅の補助金制度として、新たに「子育てグリーン住宅支援事業」がスタートします。
この制度では、環境に優しい住宅づくりを推進するために、新しい補助金の枠組みが設けられました。
特に注目されるのが、補助額が大幅に拡充された「GX志向型住宅」です。
本記事では、この制度の概要やポイント、活用方法について詳しく解説します。

子育てグリーン住宅支援事業の概要

2025年の補助金制度では、以下の4つのポイントが重要です。

  1. 「GX志向型住宅」が新設され、補助額が最大160万円
    従来の補助金制度と比較して、最も高額な補助金が設定されました。

  2. 2024年11月22日以降に上棟(基礎より後の工程に着手)された建物が対象
    建築スケジュールの確認が重要です。

  3. 長期優良住宅の認定が優遇対象
    高耐久・高断熱な住宅は追加の補助が受けられます。

  4. 分譲住宅や賃貸住宅も対象
    幅広い住宅形式に対応しています。

②補助金額と対象住宅

子育てグリーン住宅支援事業では、住宅性能に応じて以下の補助額が設定されています。

  1. GX志向型住宅
    補助額:160万円/戸
    条件:高断熱性能(等級6以上)と一次エネルギー消費量の大幅削減(35%以上)を達成。

  2. 長期優良住宅
    補助額:建替えを伴う場合 100万円/戸、その他 80万円/戸
    条件:高耐久性と省エネ性を兼ね備えた住宅が対象。

  3.  ZEH水準住宅
    補助額
    :建替えを伴う場合 60万円/戸、その他 40万円/戸
    条件:ゼロエネルギー住宅の基準を満たす住宅が対象。
    対象世帯対象
    住宅
    条件補助額
    全ての世帯GX志向型住宅・断熱等性能等級6以上
    ・ 一次エネルギー消費量35%以上削減
    ・再生可能エネルギーを含む消費量100%以上削減
    160万円/戸
    子育て世帯(※)長期優良住宅建替え前住宅等の除却あり100万円/戸
    上記以外80万円/戸
    ZEH水準住宅建替え前住宅等の除却あり60万円/戸
    上記以外40万円/戸
    ※1:「18歳未満の子を有する世帯(子育て世帯)」又は「夫婦のいずれかが39歳以下の世帯(若者夫婦世帯)」

    ③GX志向型住宅の詳細要件

    「GX志向型住宅」は、省エネ性能の向上を目的とし、以下の3つの要件を満たす必要があります。

    1. 断熱等性能等級6以上
      最新の断熱性能基準「HEAT20 G2(UA値0.46以下)」に対応。

      ※断熱等性能等級6とは?
      最新の断熱基準であり、冷暖房の効率を最大化することで、快適な生活環境を実現します。

    2. 一次エネルギー消費量の削減率35%以上
      再生可能エネルギーを除いた消費量を35%以上削減。

    3. 再生可能エネルギーを含む消費量削減率100%以上
      太陽光発電などを活用し、エネルギー消費を相殺。

    ▼GX志向型住宅の要件(簡易チェックリスト)

    要件項目条件
    断熱等性能等級6以上
    一次エネルギー消費削減率(再エネ除く)35%以上削減
    一次エネルギー消費削減率(再エネ含む)100%以上削減
    対象外エリア土砂災害特別警戒区域など(以下注意点参照)

    ④注意点とスケジュール

    補助金を活用する際の注意点

    1.建築スケジュールの確認
    基礎工事より後の工程が2024年11月22日以降であることが条件。
    ※基礎工事より後の工程とはどこの事を指すかはまだ未公表

    2.対象外となる地域
    土砂災害特別警戒区域や災害危険区域など、特定の立地条件では補助対象外となります。

      ▼対象外となる建設予定地(注意点)

      対象外エリア
      土砂災害特別警戒区域
      災害危険区域(急傾斜地崩壊危険区域、地すべり防止区域など)
      災害レッドゾーン(浸水想定区域、土砂災害区域を含む)
      市街化調整区域かつ浸水想定高さ3m以上の区域
      ※各自治体のハザードマップを確認し、事前に土地条件をチェックしましょう

      3.補助金ではカバーできないコスト
      高性能な住宅仕様に伴うコスト増加があり、補助金だけでは賄えない場合もあります。

      スケジュール

      日付内容
      2024年11月22日以降に「基礎工事より後の工程」に着手した物件が補助対象
      2024年12月21日までに補助金制度の詳細決定
      2025年1月中旬頃に補助金申請に必要な仕様詳細が公式HP公開

        ⑤補助金制度の活用ポイント

        高性能住宅への移行を後押し

        「子育てグリーン住宅支援事業」は、ZEH基準を上回る性能を求めることで、住宅市場全体の省エネ化を加速させる狙いがあります。

        経済的メリットと快適性

        GX志向型住宅の採用により、光熱費の削減や快適な居住環境が得られるだけでなく、将来的な資産価値の向上も期待できます。

        蓄電池の導入でさらなる補助金

        蓄電池を導入する場合、別途「DR対応蓄電システム」の補助金も併用可能です(補助率は最大1/3)。

        ⑥まとめ:2025年の補助金制度を賢く活用しよう

        2025年の「子育てグリーン住宅支援事業」は、住宅性能を向上させるための大きな一歩です。特にGX志向型住宅に適合する新築住宅は、最大160万円という過去最大の補助額を受け取ることが可能です。

        ポイントのおさらい

        • GX志向型住宅は、省エネ性能と再生可能エネルギーの活用を重視。
        • 補助金を活用して初期コストを軽減し、長期的な光熱費削減を実現。
        • 事前に施工スケジュールや土地条件を確認し、適切な計画を立てることが重要。

        未来の家づくりを成功させるために、補助金制度を賢く活用し、快適で持続可能な住まいを手に入れましょう。

        ▼GX志向型住宅と従来のZEHの比較表

        項目GX志向型住宅ZEH水準住宅
        断熱性能等級6以上等級5
        一次エネルギー削減率再エネ除く35%以上、再エネ含む100%以上削減再エネ含む25%以上削減
        補助額最大160万円/戸最大60万円/戸

        読者へのアドバイス

        1. 建築予定地のチェック
          ハザードマップを確認し、補助対象外エリアに該当しないか事前に確認しましょう。

        2. スケジュール管理
          補助金を最大限活用するため、2024年11月22日以降に着工するスケジュールを調整してください。

        3. 仕様のアップグレード
          GX志向型住宅の条件を満たすためには、断熱性能や再生可能エネルギー設備の導入が必要です。長期的な光熱費削減効果も考慮し、初期コストを補助金で補う形で計画を進めましょう。