家づくりの意外な盲点!? 【駐車場づくり】のポイントまとめ

2020.11.23

家づくりの意外な盲点!? 【駐車場づくり】のポイントまとめ

新築住宅を建てる際、建物の間取りや外内装にこだわるのは当然ですよね。でも、何か忘れていませんか? そうです、建物の周囲を彩る外構です。特に駐車場は、車社会である静岡県西部エリアではとても重要ですよね。毎日車に乗る機会があるでしょうし、用途に合わせて数台所数している方も少なくないでしょう。

そこで今回は、家づくりにおいて意外と大切な【駐車場づくりのポイント】について考えていこうと思います。「せっかく理想の家が完成したのに、駐車場ですごく後悔(泣)」なんてことにならないよう一緒に勉強していきましょう

最も多い失敗は「狭い」こと

駐車場づくりで最も失敗が多いのは「狭い」です。特に、限られた土地に新築する場合、建物の大きさなどを優先し過ぎて駐車場がおろそかになりがちなんですよね。駐車場が狭いといろいろな弊害が生じます。駐車するのに時間がかかったり、乗り降りが窮屈だったり、荷物の積み降ろしが大変だったり…。ですので、家を建てる際には、設計前の段階から駐車スペースについて具体的なイメージを固めておく必要があります。

最低限チェックしておきたいのは「駐車する車の台数」「所有する車の大きさ(車種)」。一般的に駐車スペースというのは、幅2.5m・奥行き5.0m(1台あたり)とされています。しかし、この数値はあくまで目安。実際に駐車してみるとかなりキツキツな印象を受けると思います。ストレスなく駐車できて、人の乗り降りや荷物の積み降ろしをスムーズに行いたいのなら、もう少し余裕のある幅3m・奥行き6.0m(1台あたり)くらいがおすすめです。これなら大型車でも楽々駐車できますよ。さらに言えば、家の前の道路についても計算しておきたいところ。駐車スペースを広めに確保しても、家の前の道路が狭いことで結局何度も切り返しをして…という事態になりかねません。家の大きさ、駐車スペースの広さ、周囲の環境などを総合的にイメージした上で、最適な駐車スペースを導き出すことが大切になります。

車の乗り換え、来客や車椅子のことも考慮して

月日が経つにつれて、所有する車は変わっていきます。今はコンパクトカーで十分だとしても、家族が増えたり、子どもの成長に合わせて、大型のワゴン車に買い替えることだって考えられますよね。このように駐車場をつくる際には、数年後、数十年後を見据えることも重要です。また、車椅子を利用する家族がいる場合はより広めの駐車スペースが必要になりますし、来客用の駐車スペースについても考えておく必要もあります。できる限りになるかと思いますが、将来、どんな状況にも対応できる駐車スペースが確保できれば、安心かつストレスのない駐車場になる確率は高くなります。

駐車場と玄関の動線を考えよう

これもよくある失敗例。「玄関までが遠い」といった、駐車場と玄関の動線をあまり考えなかったケースです。雨の日にサッと移動したい時や、買い物などで運ぶ荷物が多い時など、玄関までの動線が不便だとかなりのストレスになります。駐車場をつくる際には、駐車スペースとともに玄関までのスムーズな動線もしっかり考えておくと、より快適な駐車場になります。動線に自由がきかないようなら、カーポートを設置したり、建物の一部に駐車スペースを組み込むビルドインガレージを採用するという方法もありますよ。また、よりスムーズな動線を叶えるために、駐車場に明るいセンサーライトなどを設置するのもおすすめです。

駐“輪”スペースは確保していますか?

車の駐車スペースにばかり意識がいってしまうと、ついつい忘れてしまうのが駐輪スペースです(バイク用の駐車スペースも同様です)お子さまが自転車に乗るようになってから慌てて気付かれる方も多いようですね。そんなに広さは必要ありませんが、道路からの出入りが簡単なところに設置すると便利ですよ。「今はまだ必要ない」と思っても、将来必要になる可能性が高いのであれば、駐車場の一角に駐輪スペースも確保しておきましょう。

駐車場のレイアウトはどうするか?

駐車場のレイアウトとは「実際にどのような形で車を駐車するのか?」ということ。最もオーソドックスなのが、道路に対して車を直角に駐車する「直角駐車」です。土地が狭いなど、十分な駐車スペースの確保が難しい場合は、道路に対して並行に駐車する「並列駐車」も考えられます。また、奥行きのある土地でしたら「縦列駐車」という選択肢もありますね(ただ縦列駐車は不便です)。このように、土地の大きさや形状、建物の大きさ、住む人によっても駐車場のレイアウトは変わっていきます。どれが正解というものではありませんので、生活スタイルや駐車のしやすさなどを考慮して、最適なレイアウトを選択していってください。これは余談ですが、駐車場を設ける方角としては「住居の日当りを確保しやすい」という理由から南東に寄せる家が多いようですよ。

駐車場のデザインも大切

たかが駐車場と言えど、ただあれば良いというわけではありません。建物同様、こだわりやデザイン性を反映させていくべきです。そうしなければ、家全体の一体感が損なわれ、何だかちぐはぐな見た目になってしまいます。ポイントとなるのは使用する素材やカラーです。建物で使われている素材・カラーと同じようなものを駐車場にも選ぶことで、まとまりのある雰囲気に仕上げることができますよ。

散水栓の位置は適切ですか?

洗車、ガーデニングの水やり、遊び道具の洗浄…などなど。駐車場付近というのは、何かと水仕事が多くなる場所です。ですので、散水栓は必須の設備となります。失敗しがちなのは、散水栓の位置です。「長いホースがないと届かない」「使いたい時にすぐに使えない」など、散水栓があることが、かえってストレスの原因になることも少なくありません。事前に用途のシミュレーションをしっかりと行い、適切な位置に設置できるよう考えることが重要となってきます。

駐車場の防犯対策を考える

駐車場の防犯対策もしっかり考えておきましょう。車をイタズラされたり、盗まれたりするケースを防ぐだけでなく、家全体の防犯対策にもつながっていきますからね。一般的な防犯対策としては、シャッター、カーゲート、センサーライトや防犯カメラを設置するという方法があります。また、駐車場に砂利を敷くことで、踏むと石が擦れ合って音が出るようにするという方法もあります。

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以上、駐車場づくりで覚えておきたいポイントについてあげていきました。思っていた以上にさまざまなことを考えないと“ストレスのない駐車場”って完成しないんですね(苦笑)。広さや使い勝手はもちろんですが、駐車場と言うのは“家の顔”という意味でも大きな役割を担っています。建物との一体感を考慮しながら、機能性&デザイン性、そして将来性に優れた駐車スペースを作っていきたいものです。

一度つくってしまうとなかなかリフォームが難しい(お金もかかりますし)部分ですので、建物と同じくらい慎重に進めていった方が良さそうですね。冒頭でもお伝えした通り、車社会のこの地域にとって駐車場は毎日使うものですから、ある程度のこだわりは必要ですよ。

まずは駐車したい車の台数・大きさをチェックし、将来の車の乗り換えのことも落とし込む。そして、実際に乗降している場面や荷物の積み降ろしをしている場面、洗車している場面などをイメージして、新居の駐車スペースに必要な広さ・レイアウトを考えてみてください。また、土地の購入から家づくりをスタートする方は、建物+駐車スペースのことをしっかり考えた土地選びをしてみてくださいね。