2021.04.29
ポカポカ春らしい陽気が続く4月下旬。ちょっと季節外れの話題になってしまいますが、家づくりを進める中で「床暖房は導入するべきか?」なんて悩まれたことはありませんか? 私たちの住む静岡県は年間を通じて温暖な気候ですので、そこまで床暖房を気にしてないかもしれませんね…。とは言え「冬の寒さはどうにもガマンできない!」「エアコンなどの暖房器具だけではちょっと不安…」といった理由で導入を検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか?
結論から言ってしまうと、気密性や断熱性がしっかりした家であれば、そこまで床暖房にこだわる必要はないのですが…、それだとここでコラムが終わってしまいます(苦笑)。そこで今回は【床暖房の必要性やメリット・デメリット】について書いていきたいと思います。何かしらの参考になれば幸いです♪
あらためて説明することでもありませんが、床暖房というのは、床下に設置した熱源を使って部屋を暖める暖房器具のことです。床下から床を伝わって熱を発生させ、天井や壁などに反射させることで、ゆっくりじんわりと室内の温度を上げていきます。この「ゆっくりじんわり」というのがポイントで、他の暖房器具にはない特徴です。構造としては、大きく分けて以下の2つがあります。
床下に電熱線ヒーターを内蔵したパネルなどを設置し、電気の力を使ってヒーターを暖める方法
床下に配水管を設置し、温めたお湯を配水管に通すことで、その温水の循環によって室内を暖める方法
どちらも一般的な床暖房のタイプとなりますが、初期費用としては電気式の方が安く、ランニングコストは温水循環式の方が安くなる傾向にあるとされています。
続いて、床暖房のメリットについてみていきましょう。
床暖房は足元からじんわり温める暖房器具です。冷たい空気というのは温かい空気に比べて重く、下に降りていきますよね。ということは、床暖房なら足元から温めるで暖かさを感じやすいということなんです。床下で温められた空気が上昇していく中で空気の対流が起こり、部屋全体をまんべんなく暖めてくれますよ。足元が冷えにくいと、室温以上に暖かさを感じることができますからね♪
温風が出るエアコンやファンヒーターなどと違い、床暖房は風を起こすことがないので、部屋の空気が乾燥することがありません。乾燥肌の人や喉を痛めたくない人にはおすすめの暖房方法となります。また、風邪の予防にもつながりそうですね。
暖房器具自体が床下に設置されている(隠れている)ので、場所をとる心配がありません。季節に合わせて暖房器具を出したりしまったりする手間が省けますし、ホコリなどが舞い上がらないという理由から掃除のしやすさという点でもメリットがあるとされています。
ファンヒーターやストーブなどと違い、火を使わずに高温になるため安全です。特に小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では重宝するかもしれませんね。また、水蒸気の発生もないので結露が起こりにくく、カビやダニの発生を抑えられることもメリットといえます。
次はデメリットです。意外な盲点があるかもしれませんよ。
前述した通り、床暖房は足元からゆっくりじんわりと室内の空気を暖めていきます。つまり、暖かくなるまでに時間がかかるんですよね。すぐに部屋を暖めたい場合や短時間しか利用しない部屋では、床暖房は不向きとなるでしょう。
床暖房部分に長時間モノなどを置いてしまうと、気付かないうちに温められてしまい、劣化の原因になるケースがあります(特に野菜や果物、冷凍食品などは注意が必要です)。また、カーペットを敷く際も気を付けてください。床暖房に対応していない化学繊維などでできたカーペットを敷いてしまうことで、通気性が悪くなったり、フローリングを傷める原因につながったりします。
これは仕方のないことですが、一般的な暖房器具を購入することに比べると、床暖房の設置には多大な費用がかかります。ただし、入居後に設置しようとすると大規模な工事が必要となりますので、床暖房を導入するタイミングとしては新築のタイミングがベストです。
家を構成する大きな設備のひとつとなりますので、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを怠ったばかりに、気付くと大掛かりな修理が必要となってしまうケースも見受けられます。せっかく導入したのに「メンテナンスが面倒だから」「意外とエアコンだけで十分だった」などの理由で、床暖房を使わなくなってしまう場合も少なくないようです。
いかがでしたか? 床暖房の導入を検討する際には、これらメリット・デメリットをしっかり精査した上で、最終的にどうするかを導き出してみてください。
「自然な暖かさで家全体を快適にしたい」、「乾燥を防ぎたい」などを考えれば、床暖房導入は良い選択になるかもしれません。ただ、大前提を忘れてはいけませんよ。それは、“家の性能”である高気密性・高断熱性です。どんなに優れた暖房器具を設置したとしても、建物自体に隙間があったりするようでは意味がありませんよね。せっかく温めた空気が外に出ていってしまったり、反対に、冷たい外気が家のさまざまな隙間から侵入してしまうようでは本末転倒です。必要以上に暖房エネルギーが使われますので、光熱費などのコスト面にも大きな影響を及ぼします。
ですので、高気密・高断熱の家であれば、そこまで床暖房の導入に頭を悩ます必要はないのかもしれません。エアコンやヒーターで生み出した熱をしっかり家の中に留まらせることができ、外気をシャットアウトできる家であれば、十分寒い季節に耐えられる室温を維持することができます。
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以上、床暖房についての基本的な情報をシェアさせていただきました。お役に立った内容はありましたか?
床暖房は確かに便利ですし、設置する新築も年々増えています(地球環境に配慮した暖房器具という点でも選ばれています)。しかし「じゃあ、何となく付けよっか」といった軽い気持ちで導入してしまうのは危険ですよね。ご家族の生活スタイルなどを考慮して、メリット・デメリットをしっかり比較した上で、本当に必要かどうかを考えてみてください。
ここでもうひとつ、床暖房に引けを取らない“自然派の暖房器具”についてご紹介します。それは床材に無垢を使用することです。無垢の床は一般的なフローリングと比べて、夏は涼しく、冬は暖かいとう特徴があり、年間を通じて心地良い体感温度を生み出してくれます。ちなみに、ARRCHの注文住宅では無垢フローリングが標準仕様となっています(オーク、アカシア、パインなど種類も豊富に取り揃えています!)。高気密・高断熱性能と併せて、無垢フローリングについても効果を覚えておいてくださいね♪
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