2022.12.07
快適な生活動線、家具や設備の配置の仕方、収納や部屋の数…などなど、家を構成するさまざまな側面に影響してくるのが【間取り】です。
「間取りの良し悪しが、生活のしやすさに直結する」と言っても過言ではないほどですよね。
そこで今回は【間取りを考える上でのポイント】についてアレコレ語っていこうと思います。 「間取りを考えるためにまずは何からすればいいの?」「どうすれば自分たちに最適な間取りに近づける?」といったお悩み解決のヒントが散りばめられていますので、ぜひ最後までご覧ください♪
※過去コラム『間取りを考える際に、“失敗しがちなこと”7選』も併せてご覧くださいね →https://www.arrch.net/column/column-4323/
当然と言えば当然ですが、まずは、ご家族の意見や要望を聞いて、それをまとめていく作業から始めてみましょう。
「東の方角に玄関を」「子ども部屋は2つ必要」「リビングはこのくらいの広さ」「トイレは1階と2階にひとつずつ」…といった感じで、紙などに箇条書きしていくと良いかもしれませんね。
ひとまず予算や土地の広さのことなど考えず、思いつくまま「こういう家にしたい」という理想を書き出していきましょう。
ご家族の意見・要望がまとまったら、次に「間取りの核となる部分」について考えていきます。
核となる箇所は3つ。
それは、玄関・水回り・階段です。
まずは玄関。
玄関の位置というのは、土地がどの方角に接道しているのかによってだいたい決まってきますよね。
ですので、間取りを考える時は、最初に玄関の位置を決めることをおすすめします。
次に階段です。
「階段をどこに設けるか?」はとても重要で、それによって部屋の数や広さなどに大きな影響が出てきます。
限られたスペースを最大限活用するためにも、階段の位置(種類)を熟考していきましょう。
最後は水回りです。
キッチンやバスルームなどの水回りは、できるだけ近くにまとめることで家事動線がスムーズになります(給排水管をコンパクトに集約することでコストダウンにもつながります!)。
水回りの配置を上手に決めていくことは、生活しやすい間取りの第一歩となるんですよ。
「こういう家にしたい」の意見・要望をまとめ、玄関・階段・水回りの配置イメージが定まってきたら、より詳細な間取りへと昇華させていきます。
とは言え、いきなり自分たちで間取りを描くというのは難しいですよね(苦笑)。
そこでオススメなのが、間取り事例を参考にすることです。
住宅メーカーなどが公開している間取り図を見てみたり、多種多様な間取りに出合える“間取りまとめサイト”にアクセスしてみましょう。
その中から、自分たちの理想に近い間取り事例を見つけ、それをベースにして独自の間取りを考えてみてください。
特に建売住宅の間取りは、人気のある間取り(住みやすい間取り)を採用していることが多いので学ぶところが多いと思います。 もちろん、ARRCHでも数多くの間取り事例を公開していますのでぜひチェックしてみてください♪
詳細な間取りがイメージが完成したら、そこに生活動線を当てはめてみましょう。
実際に生活している場面を想像することで、イメージした間取りの良い面・悪い面が見えてくるようになりますよ。
「ここにバルコニーがあると洗濯物を干す時に大変そう…」、「帰宅した時、玄関から洗面スペースまでの距離が遠く感じる」、「子ども部屋の収納スペースが足りなくなりそう」などなど、いろいろな気付きが出てくるはずです。
そんな気付きをメモしたり、描いた間取りに手直しをすることで、より生活しやすい、現実的な間取りに近づいていきます。
できれば、家具や家電をどこに配置するか?といったことまで落とし込めると、より実生活に近い間取りになりますよ。
ここまでくれば、かなり練られた間取りイメージが固まっていると思います。
この段階になったら、実際に住宅メーカーや工務店などに連絡し、間取りをはじめとする提案プランを出してもらいましょう(もちろん、何も固まってない状態で提案してもらうのもアリですけどね)。
気になる会社が複数ある場合は、複数社からプランを出してもらうのがオススメです。
じっくり比較しながら検討してみてくださいね。 自分たちの要望を叶えつつ、プラスアルファの提案やアイデアを出してくるような会社が狙い目ですよ。
住宅メーカーや工務店から提案された間取り図を見ながら、より細かな部分での間取りチェックをしていきましょう! 下記のポイントに沿ってチェックしてみてくださいね。
家づくりの失敗例としてよくあがるのが、収納スペースの問題です。
今ある持ち物や入居後に購入する物を思い浮かべながら、収納の数・広さ・高さ・奥行きなどを確認してみましょう。
完全注文住宅では、階段下や小上がりの下などに収納スペースを追加できますので「収納が足りないな」と感じたら、そのようなデッドスペースの活用も考えてみてください。
実際に住んでみないと気付きにくいのですが、音の問題についても注意を払っていきましょう。 「近くに線路や通行量の多い道路がある場合は寝室を奥に配置する」、「排水音が気にならないようにリビングの近くにトイレを配置しない」…といった感じで、家の中で危惧される騒音だったり生活音を考えた間取りとなっているかを確認してみてください。
周囲からの視線についても考える必要があります。
具体的には「玄関が道路に面している場合、扉を開けた時に視線が気にならないか?」、「来客があった時に見られたくないスペースに視線が届かないか?」といった部分ですね。
ストレスになるような視線をシャットダウンする間取りを目指していきましょう。
間取りで解決しない場合は、窓の位置や大きさを工夫する、外構に目隠しフェンスを立てるといった対策が有効です。
昼間でも照明が必要なほど暗い室内では、気分がどんよりしてしまいます。
ですので、提案された間取りと土地の方角を確認し、日光の入り方についてしっかりイメージしていきましょう。
採光が足りない場合は、窓の位置や大きさなどに配慮する必要がありますよ。
また、季節によってどのくらい採光が変化するのか?、隣接する建物の影になる時間帯はいつか? といったことも事前に確認をしておくと良いでしょう。
「風通しの良さ」というのも間取りをチェックする上で大事なポイントです。
風通しの基本となるのは、1つの部屋につき2方向に窓を設ける(できれば向かい合うように)こと。 各部屋がそのような間取りになっているか? さらには、家全体や上下階でもしっかり風が抜けるようになっているか? などを確認してみてください。
風通しにも関係してきますが、ニオイの面での考慮も忘れてはいけません。
特にトイレやキッチンといったニオイが出やすい空間では、換気などによってニオイを逃しやすい間取りになっているかのチェックをしていきましょう。 どうしてもニオイが広がりやすい間取りになってしまった場合は、消臭効果のある内装材などを検討してみましょう。
コンセントの数・位置も間取りを考える段階で具体的に決めておきたい部分です(後で増やすのは大変ですからね)。
テレビやパソコンの設置場所、キッチン家電を使う場所、スマホの充電スペース、掃除機をかける際の利便性などなど、「ここにコンセントは必要」という箇所には万遍なく設けるようにしましょう。
「せっかくコンセントがあるのに家具で隠れて使いづらい」とならないような配慮も必要です。
コンセント同様、照明などのスイッチの位置も間取りの段階でしっかり決めておくことをおすすめします。
「照明を付けるためにいちいち移動する…」なんてことにならないよう、生活動線を意識した位置にスイッチが付いているか?がポイントです。
玄関ドアをはじめ、各部屋のドア、トイレのドア、収納ドアなど「使いやすいドアになっているか?」をひとつひとつ確認していきましょう。
毎日のように使用する箇所ですので、ドアの位置や開閉の仕方というのは生活のしやすさにかなり影響してきますよ。
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いかがでしたか? 間取りの重要性と間取りを考える際のポイントや順序についておわかりいただけたかと思います。
まずは、ざっくりとで構いませんので、ご家族の「こんな家にしたい」の意見・要望をまとめ上げ、そこからだんだんと、具体的かつ現実的な間取りをイメージしていってくださいね。
そして、そのイメージを住宅メーカーなどにしっかり伝え、何度も何度も打ち合わせを重ねながら、納得のいく間取りを実現させてください。 それではまた次回のコラムでお会いしましょう♪♪♪