上手な収納は「見せる」「隠す」のバランスが大切

2022.12.07

上手な収納は「見せる」「隠す」のバランスが大切

インテリア系のサイトや雑誌に掲載されているステキな住まい空間。

そこには「見せる」「隠す」をバランス良く配した【上手な収納の仕方】を見ることができます。

 一方で、家づくりを進める上で多くの方の頭を悩ますのが、「収納をどこに設けるか?」「どれだけの収納が必要なのか?」という部分。

 収納スペースが少な過ぎて「もっと設ければ良かった…」という声はよく聞かれますし、 反対に、やみくもに取り過ぎてしまって「部屋が狭くなってしまった」といったケースも見受けられます。

 というわけで、今回コラムでお伝えするのは、そんな“収納のお悩み”を解決するちょっとしたヒントです。  ご家族の生活スタイルや動線、使い勝手を考慮しながら、「見せる収納」「隠す収納」を使い分け、上手な収納を叶えていきましょう!

 「収納したいモノ」をリストアップ

まずは「今持っているモノ」(つまり「収納が必要なモノ」)をリストアップしてみましょう。

少々大変な作業になるかも知れませんが、これを行うことで必要となる収納スペースの場所・数・広さなどがイメージしやすくなります。

 そして、リストアップの際におすすめなのが、カテゴリー分けをしてみること。 例えば、下記4つのカテゴリーに分けてみるのはいかがでしょうか?

カテゴリー1/生活する上で毎日のように使うモノ(食器、タオル、衣類、リモコンなど)

カテゴリー2/飾ったり、目に付くところに置いておきたいモノ(小物雑貨、写真、絵画など)

カテゴリー3/決まった時期になると使うモノ(扇風機、暖房器具、レジャー用品など)

カテゴリー4/ほとんど使わないが収納しておきたいモノ(ゲスト寝具、資料関係、記念品など)

いかがですか? この4つのカテゴリー分けなら、大抵の「収納したいモノ」が振り分けられると思います。

加えて、ご家族の将来を見据えた「これから増えていくモノ」「数年後に収納が必要になりそうなモノ」も予想しておくと、より実用性の高い収納スペースを想像しやすくなりますよ。

 4カテゴリーの具体的な収納法

続いて、4つのカテゴリーに分けた「収納したいモノ」それぞれの、具体的な収納方法を見ていきましょう。

■カテゴリー1/生活する上で毎日のように使うモノ

生活する上で必要不可欠となるモノに関しては、それぞれ使用する部屋(キッチン、リビング、洗面、トイレなど)の側面などに「見せる収納」スペースを設けていきます。

しかし、見た目を重視する必要はありません。

カテゴリー1の収納で大切なのは「出し入れのしやすさ」、「片付けやすさ」といった使い勝手です。

例えば、キッチンの調味料類の収納であれば、「使いたい時にすぐ手が届く」場所に設置することが最重要。

生活感を排除するために「隠す収納」でも良いのですが、出し入れや片付けの手間がかなりかかってしまいます。

■カテゴリー2/飾ったり、目に付くところに置いておきたいモノ

カテゴリー2は「見せる収納」の真骨頂と言えます。

ずっと集めてきた小物類、旅行先での記念写真、お気に入りの絵画など、ご家族のセンスや趣味趣向を存分に発揮するための収納です。

玄関先やリビング、客室など、外部の人の目まで意識したオシャレな収納(見せ方)を心掛けていきましょう! 例えば、玄関正面の壁に飾り棚を設置して大好きな雑貨を並べていく…といった具合です。

大好きなモノを並べたり、飾ったりするのは楽しくて仕方ないですよね♪ ただし、ひとつだけ注意したいのは飾り過ぎないこと。

収納スペースに余す所なく陳列してしまうと、圧迫感やゴチャゴチャ感が際立ってしまい、肝心の「見せる」効果が下がってしまいます。

この辺りも考慮して、飾り棚の大きさなどを考えてみるのがポイントです。

■カテゴリー3/決まった時期になると使うモノ

カテゴリー3のような季節のアイテムは、場所を取る大型のモノが多いですよね。

ですので、それらをまとめて一ヵ所に収納できる広めの収納スペースが必要になってきます。

具体的には、ウォークインクローゼットや物置き専用部屋などの「隠す収納」です。

将来的にモノが増えることを考えて、余裕のある収納スペースにしておくこともポイントですよ。

とは言え「どうせ見えない場所だから」と何でもかんでも詰め込んでしまうのは考えもの。

いざ必要になった時に「奥の方にあって取り出すのが大変」「どこの収納スペースにしまったか忘れてしまった」につながりかねかねません。

■カテゴリー4/ほとんど使わないが収納しておきたいモノ

 「ほとんど使わないけど、捨てるのはちょっと…」というモノ、ご自宅に結構ありますよね(笑)。

カテゴリー4でまず考えたいのは、断捨離の意識です。

思い切って処分したり、フリマサイトに出品したりと、収納ではなく“手放す”ことに意識を向けて問題を解決していきましょう。

それでもどうしても必要なモノであれば、カテゴリー3同様、専用スペースを設けて「隠す収納」へ。 ただし、ある意味デッドスペースに近い状態(ほとんど使わない収納スペース)になるかと思いますので、できるだけコンパクトにしたいものです。

以上、4つのカテゴリーの具体的な収納方法をまとめてみました。

 「収納したいモノ」をリストアップし、カテゴリー分けする。

これだけで、間取りを考える際の「収納スペースはどうしよう?」の問題がだんだんと明確になってきたのではないでしょうか。

「見せる」と「隠す」を上手に使い分ける

ここで再度、4つのカテゴリーを確認していきましょう。

あることに気が付きませんか? そうです、カテゴリー1・2は「見せる収納」、カテゴリー3・4は「隠す収納」が基本となっているんです。

 冒頭でもお伝えした通り、上手な収納の鍵となるのは「見せる」「隠す」のバランス。

どちらか一方に偏ってしまうと、上手な収納のハードルはグン!と上がってしまいます。

何でもかんでも「見せる収納」にしてしまうと、部屋が狭く感じたり、ゴチャゴチャした印象になってしまいますよね。

反対に、すべて「隠す収納」にしてしまうと、シンプルでスッキリとした空間にはなりますが、「いちいちモノの出し入れが面倒くさい」「どこにしまったかわからない」といった、利便性の部分に難が出てきてしまいます。

 下記は「見せる収納」と「隠す収納」のそれぞれのメリットデメリットです。

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●見せる収納のメリット

・キッチン周りや洗面周りなど「使いたいものをすぐに取り出せる」ことができ、利便性が高い ・雑貨やこだわりのアイテムなどを「見せる」ことで、個性やセンスのある空間を演出 ・つねにモノが見えるので、片付けの意識が上がる ・「何が、どこに、どのくらいあるか」がわかりやすい

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●見せる収納のデメリット

・やり過ぎるとゴチャゴチャ感や生活感、圧迫感を感じてしまう ・来客時などに「人に見せたくないモノ」まで見られる可能性がある ・モノにホコリがかぶりやすいので、頻繁に掃除が必要となる

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●隠す収納のメリット

・スッキリとした印象になり、生活感を感じさせないオシャレな空間に近づく ・見られる心配がないので、一ヵ所にさまざまなモノをまとめておくことができる ・モノにホコリがかぶる心配がないので、掃除の頻度を減らすことができる

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●隠す収納デメリット

・必要な時に「何が、どこに、どのくらいあるか」がわかりにくい ・扉を開ける、引き出しを開けるなど、モノを出し入れする際に手間がかかる

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このように、それぞれのメリット&デメリットを比較していくと、より「見せる」「隠す」のバランスが重要だというのがわかりやすいですよね。

もちろん、ご家族の生活スタイルや趣味趣向によって「見せる」「隠す」の比重は変わってくるかと思いますが、着地点としては「みんなが使いやすくて、片付けやすくて、快適」というのが【上手な収納の仕方】となってきます。

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【上手な収納】は、理想の家づくりを進めていく上でとっても大切な要素です。

今回のコラムが“収納のお悩み”の解決ヒントとして少しでもお役に立てれば幸いです! 最後にもうひとつポイントをあげるとすれば、それは、カラーの使い方。

 インテリア業界では「使用するカラーは3色まで。差し色は2色まで」という考え方が浸透しています。

例えば、茶色(木材)、白、黒の3色をベースにして、差し色は赤と緑に…とルールを決めておくのです。

そうすることで、収納の仕方を考える際にも「飾り棚はすべて白で統一しよう」「収納ボックスは茶色か黒に」「タオルはグリーン系で揃えよう」となり、自然と住まい空間に統一感が生まれてきます。

 そして、統一感が生まれることで「見せる収納」のゴチャゴチャ感が軽減されたり、「隠す収納」のシンプルさがより引き立つことにつながっていきます。

こういった部分も頭に入れながら収納について考えていくと良いかもしれませんね。  それではまた次回のコラムもお楽しみに!!!