2022.12.08
快適な住まいを考える上で、意外と大切なのが【防音対策】です。近隣トラブルの原因につながるのはもちろんのこと、家族間でも「子どもの声がうるさくてリビングで静かに過ごせない」「寝ている時にトイレの音が気になる」といった生活のストレスになることが少なくありません。また、建物が車通りの多い道路に面しているのであれば、外からの騒音に悩まされることも考えられます。どうしても出てしまう生活音は仕方ありませんが、大音量での映画鑑賞、愛するペットとの癒しの時間、子どもたちのピアノの練習…などなど、暮らしの中で「音が気になるかも」というシーンがあるのなら、新築時からしっかりと防音対策をしておく必要があります。そこで今回は【新築時の防音対策のポイント】をテーマに話していこうと思います。建ててからストレスとトラブルの原因に悩まされないよう、一緒に考えていきましょう!
最低限の防音対策をしたいのであれば、何と言っても、家の性能面にこだわる必要があります。一般的に高気密・高断熱の住宅は、遮音性の面でも優れていると言われます。音は空気の振動で伝わるものです。高気密・高断熱の建物であれば、気密性の高い壁で音を遮ることができ、跳ね返しきれなかった音に対しては、壁の中にある断熱材が吸収してくれるんですね。
また、間取りを工夫することでも防音対策が期待できます。例えば、静かに過ごしたいリビングの上には子ども部屋を作らない、トイレや浴室といった音が発生しやすい場所の近くには寝室を配置しない、といった具合です。大通りに面していたり、近隣との距離が近い土地に家を建てる場合、まずは“高気密・高断熱の家”であることと、間取りに注意した家づくりを心掛けましょう。
もうひとつ注意したいことは、換気対策です。防音対策には気密性が必要となるため、どうしても密閉空間になりがちです。しかし、換気対策が十分でないと、部屋の空気が悪くなったり、湿気がこもりがちになり、カビなどが発生する原因になります。
普段の話し声、洗濯機や掃除機、エアコンやトイレなど、どうしても出てしまう生活音についてはそれほどナーバスになる必要はありません。どんなに抑えようとしても限界がありますし、日頃からそんなことを意識していてはストレスになるだけです。ただ、ペットや楽器の演奏といった、高確率で“気になる音”につながりそうなものについては、しっかりと防音対策を講じる必要があります。外に漏れる音が少なければ、プライバシーの面でも安心ですしね。反対に、立地環境のために外部からの音がかなり気になるといった場合は、外からの音をシャットアウトする対策が必要になります。ちなみにですが、環境省の環境基準によると、生活において望ましい音量は「住宅地の場合、昼間であれば55デシベル以下、夜間は45デシベル以下とすること」が推奨されています。音の目安としては、60デシベル=普通の会話、走行中の自動車内程度/50デシベル=小さい話し声、家庭用エアコンの室外機程度/40デシベル=閑静な住宅街の昼間、図書館程度 とされています。なんかこう見ると、かなり厳しい推奨のようにも感じられますが…(苦笑)。
前述した通り、防音性の高い家の最低条件として、高気密・高断熱ということがあげられます。その上で、各部屋やスペースに応じた防音対策を講じていくことで、より音が漏れにくく、快適な住まいに近づくことができます。ここでは、場所別の具体的な防音対策について学んでいきましょう。
壁・床・天井における効果的な防音対策のひとつとしては、それぞれ二重構造にすることがおすすめです。例えば、1階の天井に吸音材を敷く+2階の床材に遮音材を敷くといった感じです。こうすることで、かなり高い防音対策を実現することができます。
窓は防音対策を考える上で最も重要な箇所になります。窓ガラスは音が伝わりやすいため、防音をしたいのであれば、ガラスを厚くする、二重サッシにする、ペアガラスを採用するなどの方法が効果的となります。また、防音ガラスのような特殊な窓を採用するのも◎です。もうひとつ、窓の設置場所にも注意を払いましょう。例えば、外部からの音が気になる場合や近隣との距離が近い場合は、そこに接する窓を小さくしたり、窓の数を減らすことで、大きな防音対策につながります。
窓と同様、音が漏れやすいのがドアになります。防音対策としては、厚手のドアを選んだり、隙間がなるべくできないようなものを選ぶと防音効果が高くなります。特に玄関ドアや音が漏れたくない部屋のドアには、このような配慮が必要です。
多くの場合、家の中から出る音より、外部からの音が気になる場合の対策が必要となります。車や電車の音、通りからの話し声、近隣のペットの鳴き声…などですね。この場合は、壁を二重にしたり、窓を二重サッシやペアガラスにするといった対策が効果的となります。また、防音カーテンを設置して、空気の層で防音対策するのもおすすめです。車通りや人通りが多い場所に面している壁は、窓を減らすことで音が入りにくくなります。もうひとつ効果的な防音対策のひとつは、畳を敷くことです。畳に使用されているい草の繊維には吸音性がありますので、騒音を軽減させる効果があります。
映画や音楽を思う存分楽しめるシアタールームに憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか? 近隣を気にせず、大迫力の音量で楽しみたい場合は、壁・床・天井のすべての箇所に遮音材や吸音材を採用するなどの防音対策を講じていきましょう。もちろん、ドアや窓も必須ですよ。加えて、音質環境についてもしっかり考える必要があります。防音対策のみだと、音の反射が強過ぎたりして耳に負担がかかるなど、不快感を感じる場合があります。この場合は、吸音材を壁に施工することで音の響きをコントロールできるようになります。
ピアノやダンスといったお子さんの習い事の部屋、趣味で楽器の演奏をするための部屋などは、大きな音が響きやすくなりますので、防音対策が欠かせません。音が出るだけでなく反響もするため、防音ボードを壁に施工したり、ダンスでの振動音対策として、遮音マットや防振マットを設置することを考えていきましょう。音漏れを防ぐために、厚手の防音ドアを設置するのも効果的です。
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以上、防音対策のポイントについてまとめてみました。とは言え、「音の問題」というのはとっても難しいですよね。騒音と感じるレベルは人によって異なりますので、例え自分にとっては気にならなくても、他人にとっては不快な音として感じる場合がありますから。ある程度は、家族間でもご近所とのお付き合いでも「お互いさま」で済ます部分が必要になってきます。その辺のバランスをうまく取りながら、周辺環境や生活スタイルと照らし合わせて、無理のない防音対策を進めていくのが一番なのかも知れませんね。すべての部屋に防音対策を施すことも可能ですが、それでは莫大な費用がかかってしまいますから(苦笑)。
もちろん、ARRCHの完全注文住宅においても、自信満々の高気密・高断熱性能をはじめ、多種多様な防音対策のご提案をしております! 防音にこだわった注文住宅事例も多数取り揃えていますので、気になる方はお気軽にご相談くださいね♪ それではまた!!