2022.12.11
家づくりを進めるにあたって「和室を作るべきかどうか」で悩まれていませんか? ちょっと疲れた時のゴロ寝スペース、急な来客のおもてなし部屋、子どもたちの遊び場…など、あると意外と便利なのが和室の空間です。
清涼感あるい草の香りや畳の肌触りが好きという人もいらっしゃるかも知れませんね。
とは言え、洋風のライフスタイルがすっかり定着した日本において、「和室で生活したことがない」という方が増えているのも事実。
だからこそ「和室を作るべきかどうか?」の判断が難しくなっているのかも知れません。
というわけで、今回のコラムでは【和室の必要性】についてお伝えしていきます!
和室の一番のメリットは、ズバリ“汎用性の高さ”です。
客間、子ども部屋、寝室、家事スペースのほか、ダイニングスペースにもなりますし、将来、親御さんと同居する際にも有効活用できるという強みがあります。
つまり、1つあるだけで用途が無限大に広がるのが和室の良いところなんですね。
ここまでの汎用性は、洋室ではなかなか叶えられません。
急な来客時はもちろん、友人や親族などが遊びに来た際の客間として和室は大活躍してくれます。
ふすまなどの仕切りがあれば、手軽に生活感をシャットアウトすることもできますしね。
また畳なので、布団を敷くだけで寝室に早変わりし、泊まっていただくことも可能となります。
ちょっと横になりたい時にすぐにゴロンとなれるのが和室の魅力。
押入れから布団を取り出せば寝室になりますし、掘りごたつ式にしてダイニングスペースとして活用しても良いでしょう。
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭でも和室は大人気! 遊び場としてだけでなく、オムツ換えやお昼寝スペースとしても重宝しますよ♪
洗濯物を畳んだり、アイロン掛けをしたり、ミシン作業をしたり…と、ちょっとした家事をするのにも最適なスペースとなるのが和室。
押入れなどの収納スペースを兼備すれば、家事に必要なモノをすっきりしまっておけるのも◎です。
畳はフローリングに比べて柔らかなで、調湿効果などにも優れた自然素材。
裸足で思いっきり遊びたい子どもたちにはぴったりの環境だと言えます。
転んでもケガをしにくいですしね。
リビングやキッチンの近くに配置すれば、家事をしながら子どもたちの様子を見ることができますよ。
将来的に親御さんとの同居をお考えの方には、和室を確保しておくことはかなりおすすめ!
この場合、できればちょっと広めの和室スペースや独立型の部屋にするのが理想です。
普段はリビングを中心とした共同生活スタイルですが、プライベートな時間では和室で一通りのことが完結できるような環境にしていきましょう。
若いご家族だと設置することはないかも知れませんが、仏壇を置きたいならやっぱり和室が一番!
生活の中でご先祖様のお見守りをつねに感じていたいなら「仏間のために和室を設ける」のもひとつの手かもしれません。
このように、和室はさまざまなシーンで活用できる万能スペースです。
和室を作るかどうかでお悩みでしたら、まずは、上記にあげた各シーンを参考に「私たちは何のために和室を作るのか?」を明確にするところから始めてみましょう。
せっかく和室を作っても、全く使わないのであれば無駄になってしまいますからね。
…と、和室の良いところばかりを書いてきましたが、もちろん、危惧するべき点もあります。
和室を作る上でのデメリットとして多くの人が陥るのが、スペースや間取りの問題です。
和室を1つ作ることで、リビングなどその他の部屋が狭くなってしまう可能性があります。
また「家全体のコンセプトや雰囲気にマッチするかどうか?」「理想の間取りに収まるかどうか?」に頭を悩ます方も多いようです。
もうひとつデメリットとしてあげられるのはメンテナンスの面。
フローリングや壁紙に比べ、和室で使用される畳やふすま、障子などは傷みやすく、定期的なメンテナンスが必要となってきます。
あまりにも劣化してきたら張り替えなどの処置もしなければなりません。
さらに、汚れが付きやすかったり、重い家具などを置くと畳に跡が付いてしまうといった点もデメリットと言えるでしょう。
ここまで和室の持つ汎用性とメリット&デメリットについて説明してきました。
いかがでしたでしょうか?
繰り返しになりますが、何より大切なのは、まず「何のために和室を作るのか?」を明確にすることです。
そこをしっかりと考えた上で、和室を作るかどうか、広さや場所はどこがいいのかを判断をしていきましょう。
続いては和室の作り方やスタイルについてご紹介していきます。
ひとことで和室と言っても、作り方・スタイルがいくつかありますよね。
完全に独立した和室もあれば、リビング横などに設置するオープン型の和室もあります。
さらに、小上がりにしたり掘りごたつにしたりといった選択肢も。
「何のために和室を作るのか?」が決定したら、次は「どんな用途で活用したいのか?」。
限られたスペースや間取り、予算のことも考慮して、あなたのライフスタイルに合った和室を叶えていきましょう。
その名の通り、独立した1つの部屋として和室を確保するスタイルです。
客間、寝室、子ども部屋や書斎、親御さんと同居するためのスペースなど、さまざまな用途で使用することができます。
リビングやダイニングキッチンスペースから続く間取りで畳などの和室空間を取り入れていきます。
家事スペースや子どもの遊び場、お昼寝スペースなどで気軽に活用できるのが魅力です。
また、ロールカーテンなどで簡易的でも仕切れるようにしておけば、独立型の和室のような用途でも十分機能します。
床を1段上げて設置する和室空間で、リビングやダイニングキッチンの近くに設置される方が多いようです。
小上がりにすることで、空間のアクセントや開放感につながりますし、床の段差部分を利用して引き出し式の収納スペースなどを設けることもできます。
ポイントとなるのは小上がりの高さ。
一般的には20~40cmとされていますが、用途や使用頻度を考えて、綿密に高さの調整をしてみてくださいね。
普段のダイニングスペースして活用できるのはもちろん、友人を招いての食事やお酒の席が好きな人なら“家に居ながら居酒屋気分”を楽しめますよ♪ 畳や木の板などで専用の蓋を作っておけば、フラットな和室にも早変わり! 布団を敷いて寝室にすることも可能なので、汎用性が広がります。
「部屋まではいらないけど、畳のあるスペースは欲しい」という方には、リビングなどの部屋の一角に畳コーナーを設置するという方法もあります。
このスタイルなら、間取りや家全体の雰囲気を崩さずに、気軽に和室空間を取り入れることができますよ。
とは言え、あまりにも狭い畳コーナーにすると「ただ畳があるだけ」で使い勝手が悪くなりますので注意してくださいね。
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必ずしも必要ではありませんが、あったらあったで何かと便利な空間。
それが現代の家づくりにおける、和室の位置付けとなっているようですね。
このコラムを読んで「本当に和室は必要?」「和室なんていらないでしょ!」と批判的に見ていた方も少し考えが変わったのではないでしょうか?
まずは「何のために和室を作るのか?」を明確にすること。
そして「どんな用途で活用したいのか?」に落とし込んでいくこと。
これができれば「和室を作るべきかどうか?」の答えとしても、和室を120%活用するためのスタイルや間取りが決まっていきます。
ちなみにですが、一般的には、4.5帖の和室を作る場合は3坪ほどのスペース、6帖の和室を作る場合は4坪ほどのスペース(いずれも押入れなどを含め)が必要とされています。
このあたりもぜひ参考にしてみてくださいね。